1981

 

1981-11

<artist> Silver Condor

<title> Silver Condor (夜明けのテイク・オフ)

 


     

<genre> Rock/AOR

 

<lebel> CBS (日本発売有り)

 

<prod.> Mike Flicker

[プロフィール]ARTIST PROFILEを見てネ!

<include>10

A1 For The Sake Of Survival
A2 Angel Eyes

A3 Sayin' Goodbye

A4 Carolina (Nobody's Right, Nobody's Wrong)

A5 The One You Left Behind

 

B1 We're In Love

B2 You Could Take My Heart Away

(夜明けのテイク・オフ)

B3 It's Over

B4 Standin' In the Rain
B5 Goin' For Broke 
 

[解説]「大して好きでもないのに、気になって仕方がない」というアルバムの1枚や2枚は、音楽好きの人ならば誰でも持っているものだろう。その不確かな嗜好のアルバムの数が多ければ多いほど、音楽好きの勲章でもあるかのようにも思えてしまうものだ。私にとって、30年間気になって仕方のなかった1枚がまさに本作なのである。80s通ならば「なるほどねぇ!!」ときっと賛同してもらえる作品だと確信する。
 
81年当時のAORブームに乗って見事TOP40ヒットとなった"You Could Take My Heart Away"に注目が集まりがちで、輝かしい「一発屋」のイメージがどうしても強烈に残るグループではあるが、実はロック通たちがデビューを待ち望んでいた実力派ミュージシャンたちが集ったスーパーグループだったのである。
 
一見、かなり完成度の高いアメリカンロックアルバムに仕上がってはいるが、全体の構成がいかにも散漫だった。"Sayin' Goodbye""The One You Left Behind"で展開する爽やかなウエストコーストサウンドあり、"Angel Eyes"のようなTOTO的な産業ロックあり、"We're In Love""It's Over"のようなフォリナーを彷彿とさせるブリティシュ系ポップロックあり
"Goin' For Broke"
のような泥臭いサザンロックありと、内容がバラけすぎている。バンドという「生き物」の宿命ではあろうが、このシルバー・コンドルの場合は激しすぎたようだ。
 
デビッド・ボウイと長年組んできたNY出身の天才ギタリストのアール・スリック、15歳の若さで神童的ボーカリストとまでいわれた南部出身のジョー・セリサーノ。この二つの大きな個性がぶつかり合わないわけがなかった。うまく起爆すれば、大きく化けたのだろうが、どちらの個性もどうも遠慮しがちに表現されているのは残念な部分ではあった。
その後スリックは、ストレイ・キャッツのロッカーとファントムとの85年のコラボ"Phantom Rocker & Slick"でうっぷんを晴らすようにギターを弾きまくっているし、かたやセリサーノはシルバー・コンドルの83年のセカンドアルバム"Trouble At Home"では本来の「神童的」歌唱力をいかんなく発揮している。
 
このような理由のせいだろう....購入当時は数回針を落としただけで押入れに眠るこことなってしまったのだが、先述のようにどうも気になって仕方のない1枚となっていった。
ついこの間、約30年ぶりに針を落としてみたが、自分自身も年をとったせいだろうか....とても新鮮でスムーズに耳に入ってきたのだ。当時聴き逃していた細やかな音作りや、緻密に計算されたコーラスワーク、激情的なセリサーノのボーカルが圧倒するロカバラード"Carolina"に代表されるメロディックな一面に感銘を受けてしまった。
おそらく30年間、自分の中では潜在的に「名盤」と認めていたのを拒否してきたのだろう....ああ、情けなや....
 
執筆中の今も、もうすでに半日近く30回以上リピートしてきいているが、やはり「名盤」の域にあると認めざるをえない。
一日も早く、リマスターCDの発売が待ち遠しくなってしまった。 
そういえば、ジャケ写もなかなか凝っていて、カッコいいね!!
<ERIRIN兄/2011.2.18.>

[CD化情報] 2011年3月現在、CD化の情報はなし。