Artist

EDDY GRANT

Title

KILLER ON THE RAMPAGE

Release

1982

ジャンル

POP REGGAE, DANCE

 

 

ELECTRIC AVENUE

I DON’T WANNA DANCE

IT’S ALL IN YOU

WAR PARTY

FUNKY ROCK’N’ROLL

 

TOO YOUNG TO FALL

LATIN LOVE AFFAIR

ANOTHER REVOLUTIONARY

DROP BABY DROP

KILLER ON THE RAMPAGE

 

Produced by EDDY GRANT

 

 

CD入手方法

国内

廃盤

輸入盤

入手可

 

彼が83年1月に初来日した際に、渋谷公会堂へと足を運んだが、それまでのレゲエの概念を変えるようなパワフルなステージに圧倒されたのを今でも忘れられない。荒削りだが説得力あるボーカル、ボブ・マーリィに負けるとも劣らないギターテクニックに脱帽したものだ。

さて本作だが、付けられた邦題が「カリビアン・キラー」。エディの野性味あふれる精悍な顔つきから察したのだろうが、珍しく的を得たタイトルだと思う。
 

彼は元来レゲエ畑のアーティストだが、本作ではレゲエという枠にとらわれない、斬新なアルバム作りに挑戦している。その斬新さの代表が大ブレイクした“ELECTRIC AVENUE”だ。テクノっぽいシンセを駆使し、大胆なノイズを効果的に使ったダンスチューンであり、この曲をレゲエと称するのはかなり無理があろう。
あくまでも「レゲエ命」という人には嫌われるタイプの曲かもしれない。ただ言えるのは、ポリスやブロンディなどの他ジャンルのアーティストにはマネをされるくせに、それまでのレゲエ系アーティストは誰ひとりとして、他のジャンルを取り入れようという冒険をしていなかったという点だ。そんな保守的なジャンルの括りをブチ破ったエディに拍手を送りたいと思う。

 
他にも、ラテン的リズムを導入した“LATIN LOVE AFFAIR”や、張りのあるビートが心地良いディスコナンバーの“IT’S ALL IN YOU”、“1999”時代のプリンスっぽいテクノリズムが心地良い“FUNKY ROCK‘N’ROLL”あたりも「冒険作品」といっても過言ではないだろう。
 

残りの6曲については、レゲエリズムをベースにしてはいるが、それまでにはなかった新しさを感じることができる。その理由としては、ソングライターとしてのエディの卓越したメロディセンスがあげられよう。あらゆるジャンルから良い点を吸収した上で消化し、自らの曲に反映しているのだろう。彼のいかついルックスとは裏腹に、とにかく根アカなポップセンスを感じる次第である。

このアルバムをまだ聴いていない方へは、是非とも「レゲエ」とか「黒人」とかいう先入観を捨てた上でジックリと楽しみながら聴き込んでもらいたいと願う。