A1 HARDEN MY HEART (ミスティ・ハート)
A2 FIND ANOTHER FOOL (ミッドナイト・ラヴァー)
A3 CRITICAL TIMES (クリティカル・タイム)
A4 VALERIE (さすらいのヴァレリー)
A5 TRY TO MAKE IT
TRUE
B1 RIGHT KIND OF LOVE
B2 CRUISIN' WITH THE DEUCE (悪魔とドライブ)
B3 LOVE SHOULD BE SO KIND (愛は優しく)
B4 WILLIAMS AVENUE
Produced by JOHN BOYLAN
<guests>
TIMPTHY B.SCHMIT (Back
Vocal)
Paurinho Da Costa (Per.)
CD入手方法
国内 |
アナログLPのみ→廃盤 |
輸入盤 |
1985年CD化→廃盤
1996年リイシューCD→廃盤
2003年リマスター(独盤)→入手可 | |
邦題は「ミッドナイト・フラッシュ」。ジャケ写のイメージから引き出したであろう、日本らしいタイトルである。
日本盤LPの帯には、「撃ってハート、感性直撃!ドリームゲームに終わりはない.....真夜中の疾走、そこにひとすじの閃光が......」というカッコいいキャッチフレーズがついていた。
81年に創設されたGEFFEN
RECORDSのイチオシ新人アーティストの1stアルバムとして、全米のみならず世界的にプロモートされ、セールス的にも大成功を収めた作品だ。
全米ではアルバムチャート200位圏内に100週以上ランクインするロングセラーとなりプラチナアルバムに認定、日本でもオリコンのアルバムチャートでTOP10入りを果たした。
かといって、ただの売れ線アルバムではなく、当時のアーティスト間の評価も高く、かなり高度な完成度を持った佳作でもある。
リンディの奏でるサックスを全面に押し出すことにより、それまでになかった斬新なロックテイストを醸し出しており、以降のロック系アーティストがこぞってサックスパートを取り入れていくきっかけとなったといっても過言ではなかろう。
プロデューサーのジョン・ボイランは、NY出身ながら西海岸のイーグルスやジャクソン・ブラウンとも親交のある人物で、70s時代は彼らのレコーディングの裏方として活動していた。
このアルバム全体に漂う、NYらしいお洒落なジャズテイストも、彼の手腕が発揮された賜物であろう。
彼の広い人脈から、イーグルスのティモシー・B・シュミットがバックボーカルで参加している。
アルバム全体を通しては、強弱をつけた構成によって、一貫した流れがしっかりと感じ取れるし、何度も針を落とさずにいられないような聴き手を引き込んでしまう魅力がある。
(30年の間で1000回以上は聴いているだろう)
全曲にフィーチャーされたリンディによるエレガントなサックスもさるものの、完成度の高い各パートの掛け合いも見逃してはいけない。特に注目したいのは、重厚なベースラインが特徴として挙げられる。
アルバムラストを飾るB4は7分を超える力作。全体にリンディのジャジィなサックスがメインではあるものの、後半のパートではフュージョンタッチのベースラインが暴れまわる。ちなみにタイトルの"WILLIAMS
AVENUE"とは、彼らの出身地オレゴン州ポートランド市中心にある繁華街のことである。
9曲中7曲はリンディがリードボーカルをとっているが、2曲はギターのジャック・チャールズが暖かみのあるリードボーカルを披露している。そのうちA3は、70sテイストの美しいメロディを持つAORバラードで、なかなか良い。
TOPヒットとなった2曲に注目が行きがちだが、一枚のアルバムとして聴き直してみてはいかが?
<written by ERIRIN兄,
2011.1.6.> |