A.D.1928 ROCKIN’THE PARADISE TOO MUCH TIME ON MY HANDS NOTHING EVER GOES AS PLANNED THE BEST OF TIMES LONELY PEOPLE SHE CARES SNOWBLIND HALF-PENNY,TWO-PENNY A.D.1958 STATE STREET SADIE
Produced by STYX
STYX were (Vo/Ky) DENNIS De YOUNG (Gt/Vo) TOMMY SHAW (Gt/Vo) JAMES’JY’YOUNG (Dr) JOHN PANOZZO (Bs) CHUCK PANOZZO
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70s中盤から活躍を始めたSTYX。私個人の解釈によると、彼らのロックって「解りやすい」プログレッシヴ・ロックだと思います。売れに売れた70sの名盤“CRYSTAL BALL”や“GRAND ILLUSION”、とても好きです。70s当時は、ホントにすごいグループだなぁと尊敬していた程でした。 そして、彼らの絶頂期といえる時期にリリースされた、このアルバム“PARADISE THEATER”。 彼らのホームグランドだったシカゴに実在したミュージカル劇場で、その劇場の30年間に渡る栄枯盛衰を題材にコンセプトを練り上げて製作されました。この時のワールドツアーでも、このコンセプトを重視した演出を施し、まるでこの「パラダイス・シアター」で見ているかのようなミュージカルショー仕立てのダイナミックなステージを満喫させてくれました。 絶頂期だった彼らが、このような「平家物語」的なコンセブトを示したのも、「いつか俺たちも落ち目になるんだろうな」みたいな危惧感もあったんでしょうね、きっと。だって人間って、幸せな気持ちの時に、何の理由もなく不安になるっていうもの。 実際に、次のアルバム“KILROY WAS HERE”が今ひとつの評判だったことから彼らも「下り坂」を感じたのか、84年にライブアルバムをリリースした直後に解散してしまいました。こうして第1期のSTYXとしては終結を迎えてしまいましたが、ご存知のように90年にトミー抜きで再結成され、見事に復活しましたね。(現在もデニスとトミー抜きで活動中) ひとつのコンセプトで括られてはいるものの、このアルバムに収録されている曲それぞれには個性があふれています。グループのブレインだったデニスがリードをとる“THE BEST OF TIMES”などのメロディアスな曲が大半ではありますが、トミーやJYがリードする曲もとても良いです。トミーがボーカルをとり、シングルヒットにもなった“TOO MUCH TIME..”では斬新なシンセサイザーを導入、UKのニューウエイブ的なアプローチを聴かせてくれますし、めちゃ明るいAOR的なメロディを持つ“SHE CARES”もとても印象的でした。“SNOWBLIND”では、H/R志向のJYがオジーっぽいボーカルを聴かせてくれます。 この傑作アルバムって、一見バラバラな個性を持つメンバーがひとつのコンセプトによってまとまりを見せる時、グループとしての真のパワーが発揮されるというお手本かもしれませんね。 STYXというロックグループが辿った軌跡を考えながら聴いてみると、ちょっち皮肉めいてはいるけど、80s当時よりも感慨深く感じてもらえることと思います。
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