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WE BUILT THIS CITY SARA TOMORROW DOESN’T MATTER TONIGHT ROCK MYSELF TP SLEEP DESPERATE HEART
PRIVATE ROOM BEFORE I GO HEARTS OF THE WORLD (WILL UNDERSTAND) LOVE RUSTS
Produced by PETER WOLF
CD入手方法
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本当に80sらしいポップ感覚あふれる作品だ。西海岸シスコらしい明るくもメロディアスなロックサウンドと、ヨーロッパっぽいエレクトロビートとが見事に調和・共生しており、今の時代に針を落としても全く色褪せて聴こえない点が、このアルバムの凄さである。 J/Sの長いキャリアに基づく抜群の曲作りのセンス、それと本作で力量発揮したプロデューサー兼キーボード担当のピーター・ウルフ(もちろんJ.ガイルズ・バンドの彼とは別人で、オーストリア出身のキーボーディスト)の才能の賜物だろう。 本作「フープラ」ほどは話題にはならなかったが、ピーターは前作“NUCLEAR FUNITURE”にも参加しており、その時の経験から次作での好感触を得たそうである。まぁ、名作というものは「ひょうたんから駒」という訳にはいかず、生み出されるには必ずどこかに伏線というものが存在するということだろう。 ご存知のようにこのアルバムからは、壮大な「ふるさと」賛歌でもある“WE BUILT THIS CITIY”(邦題は「シスコはロックシティ」)、そして珠玉の名バラード“SARA”という2曲のbPヒットが誕生しているが、当然この名曲2曲以外にも素晴らしい曲のオンパレードだ。個人的には、シングル第3弾にもなりTOP40入りした"TOMORROW DOESN'T MATTER
TONIGHT"の美しすぎるメロディライン、両面ラストの"DESPERATE
HEART"(マイケル・ボルトンのペンによる)と、デュオの掛け合いが絶妙な“LOVE RUSTS”も負けず劣らず名曲の域に入る美しいバラードナンバーである。 よく耳にしたのが、この頃のJ/Sのメインボーカリストだったミッキー・トーマスの評判だった。かなり好き嫌いが分かれてしまうボーカリストだが、個人的には好きなタイプだろう。艶やかなファルセットが彼の魅力であり、ややハスキーなグレイスの声質とも合っていたと思う。 また、グレイス・スリックがメインボーカルをとるハードナンバー"ROCK MYSELF TO SLEEP"は、85年のホラー映画「フライトナイト」のサントラでエイプリル・ワインがやっているし、89年にカトリーナ&ザ・ウェイヴスがカバーしており、聴き比べてみるのも一興だろう。 |